管球自在 かんきゅうじざい

管球自在[かんきゅう-じざい] 1.初心者が書く真空管アンプ製作記 2.自由な設計による真空管アンプ

真空管アンプ

2A3シングルアンプの制作 その5(シャーシ加工)

さぁ、真空管アンプ制作における最大の苦行にして最も楽しい作業でもあるシャーシ加工の時間がやってまいりました。 もうね、3㎜厚のアルミ板にBlackAndDeckerで穴あけとかマジ苦行。 いや、天板の3㎜はまだいいんだ、リヤパネルは4㎜あってこちらも難物だけ…

2A3シングルアンプの制作 その4(シャーシ設計)

シャーシ設計とは書いたが、実際には「配置検討」というほうが正しいかもしれない。 シャーシは市販のものを使用する事にすでに決めている。 これまた300Bの時の経験から、みんな大好きAriExpressで3406サイズと言われるアルミシャーシを発注。 (これは、こ…

2A3シングルアンプの制作 その3(設計)

前回のブログで書いた出力トランスの選定だが、結論から言えばゼネラルトランスさんのPMF-20WSⅡに決定した。 やはりシングルアンプは出力に余裕のあるデカいコアのトランスが良いだろうという思いがどうしても拭えなかった。デカい事はいい事なのだ。 電源ト…

2A3シングルアンプの制作 その2(トランスの選定)

この2月は急に氷点下近くまで寒くなったかと思ったら20度超えて温かくなって気が付けば梅は満開で花粉が飛散し早い桜は咲き始めてとか、もはやここ異世界なんじゃないかと思う今日この頃ですが私は何かと元気で暢気に生きてますので特に問題なしですはい。 …

2A3シングルアンプの制作 その1(きっかけ)

湯島にある行きつけのBARで呑んだくれてマスターと話をしていた時の事。 マスターが今度、店にビンテージのフルレンジスピーカーを入れるという。 このお店はいつもジャズが静かに鳴っていて、とても綺麗で良い音がしていたのだが、マスター曰く、「音が良す…

300Bシングルアンプの制作(その7 音出しそして安定のハム退治と回路図)

「物事ってやつは、はじめはうまく行かないものでね、だが時間が経つと大抵のばあい、もっと悪くなるのさ」 こう語ったのは誰だったか 配線作業が終了し、音出しと相成りました。 まずは球を差さずに電源を投入して各部の電圧チェックです。 A電源の5V、6.3V…

300Bシングルアンプの制作(その6 部品配置と配線)

そんなわけで今回は、Aikidoドライブ300Bシングルアンプの部品組み付けと配線です。 いきなりですが、主要部品の組み付けを行ったトップパネルの写真から 上部(後部)にトランス類を並べ、下部(前部)に真空管とメーター類、右側にはブロックコンデンサを…

300Bシングルアンプの制作(その5 シャーシの加工)

あけましておめでとうございま・・した。 気が付けば1月も半ばを過ぎてしまっていますね。 年末年始も順調に引きこもった結果体重が過去最高値をマークし緊急事態宣言のおかげでさらに引きこもり度アップな今日この頃ですが皆様お元気でしょうか? さて、注…

300Bシングルアンプの制作(その4 配置を考える)

デザインセンスって、どうやったら手に入るんだろうね? いくら考えてもよくならない。センス求む今日この頃。 さて今回はアンプ全体の配置を考えます。 まず、アンプシャーシの大きさを決めるところから。 基本的にシャーシは大きければ大きい方が良いと思…

300Bシングルアンプの制作(その3 電源回路)

師走ってさ、寒くて走る元気が出ないよね。 あぁ、そもそも師じゃないから問題ないのか。 繰り返し申し上げますが、このブログは初心者であるところの私が、試行錯誤と七転八倒した内容を備忘録として書いているだけで、誰かのお役に立つ情報とか載っていな…

300Bシングルアンプの制作(その2 妄想は続く)

またお久しぶりの更新です。 前回の投稿が8月。なんと4か月ぶりの記事となります。自堕落な管理人をお許し下さいませ。 なんだろう、春先に緊急事態宣言があってからこっち、今年は何もしないうちに過ぎ去ってしまった感が強いですね。実際にはいろいろして…

300Bシングルアンプの制作(その1 妄想編)

お久しぶりです。 相変わらずリモートワーク全開引きこもりの毎日ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。 そういえば過去記事(下記参照)で「我が家にはレコードはおろかCDプレーヤーすらない(キリッ!」と宣言しましたが、遂にCDプレーヤーを手に入れ…

閑話休題(それはともかくとして)

お久しぶりのブログ更新です。 仕事が完全リモートワークになって引き篭もり体制になった結果、8キロ程太ってしまい、我が愛しの財務大臣から皮肉とともに腹肉をたぷたぷされる毎日を過ごしております。安西先生扱いです。 8キロと言えば、ちょっとした電源…

球転がしとハムと不良品

真空管というガジェットには、不思議な魅力があります。 ガラス管の繊細さと内部構造が見えるが故の精密感や緻密感、点灯した時に柔らかく光るヒーターの灯り。 そして、互換性のある真空管を差し替えると、出力される音が変わるという面白さ。 メカメカし…

EL34 三結シングルアンプの制作 その12(トラブル編)

それは突然やってきた 真空管アンプの音出しから約1週間。 真空管アンプの世界には、エージングなる言葉があります。 曰わく、できたてのアンプやスピーカーは、しばらく使っていると段々音が良くなってくると。 技術的な背景が全く理解できないのですが、…

EL34 三結シングルアンプの制作 その11

回路はこうなった そんなわけで、現在の回路図はこんな感じに落ち着きました。 El-34 SingleTubeAmplifire Circuit 電源トランスはゼネラルトランスのPMC-170Mです。 シリコンダイオードは290Vタップを、整流管は320Vタップを使用し、同じオクタルソケット…

EL34 三結シングルアンプの制作 その10

電源回路を作ってみる まずはじめに申し上げておくと、僕はラグ板とか使ったことありません。 ユニバーサル基板なら使ったことがあります。 空中配線は恐怖の対象です。 人生で扱った最高電圧はニキシー管の175V4mA。320V100mA以上とか相当に恐ろしいと思っ…

EL34 三結シングルアンプの制作 その9

近所には湯島天満宮があります。 この時期は梅まつりをやってるのと、合格祈願の参拝客でいつもはごった返すのですが、新型コロナの影響なのか、今年は少ないです。 でも、この時期は綺麗な梅をバックに婚礼衣装で写真を撮っている方も多くて、なんか嬉しい…

EL34 三結シングルアンプの制作 その8

今回は回路について少し。 電源回路 今回作るアンプの電源周りの回路は、ざっくりこんな感じです。 B電源系回路の図 ごちゃごちゃしている様に見えますが、 回路はそれほど難しくありません。 整流管/なんちゃってダイオード整流管(以下整流素子)で整流し…

EL34 三結シングルアンプの制作 その7

この記事は2020年1月末〜2月初頭の出来事を書いてます。 この頃はいろいろバタバタしてて、なかなか記事を書く時間が取れなかったのです。 あと、ここに書いてあることが正しいと思ってはいけないよ、人によって色々ちがうからね。 シャーシを加工しよう さ…

EL34 三結シングルアンプ の制作 その6

そんな訳で、前回の記事で書いたように、初期の構想から外れて初段を6SL7のロシア軍用管6H9Cに変更して、ついでに整流管も使えるようにしちゃおうぜ的な計画に変わってきました(適当) 買ってきたシャーシの上にGT管5本をずらりと並べて、後ろ側に電源トラ…

EL34 三結シングルアンプの制作 その5

ここしばらくドタバタしていてました。 さて、下記の記事 ssw.hatenadiary.com で電圧増幅段の設計をゆるーくやったわけですが、その後、 ssw.hatenadiary.com こっちの記事で出力段のロードラインを書き換えましたので、初段の増幅部に必要なゲインが変わ…

EL34 三結シングルアンプの制作 その4

そろそろ決めなきゃな。 僕は、部屋の窓からちらりと空を眺め、うっとおしい曇り空から雨が落ちてこないことを祈りながら、いつも使っているくたびれたトートバッグを片手に部屋を出た。 部屋の前の道から続く坂を下り、蔵前通りと国道17号の交差点に向かう…

EL34 三結シングルアンプの制作 その3

EL34のロードラインについて、コメントでご指摘をいただきましたので、早速設計変更です。 ロードラインを置いた場所の真空管をきちんと使い切っていなかった、という事なのですが、特性グラフの線が横倒しになっていたことにビビった僕がバイアスを浅めに…

EL34 三結シングルアンプの制作 その2

増幅部設計の前に 出力段の設計はなんとなくゆるーくふわっと決まりました。 そんな訳で、前段の増幅部の設計に入りたいと思います。 この辺りはまだ理屈を理解できていないので、とりあえず数式に当てはめただけです。 猛烈に間違ってる可能性が高いので、…

EL34 三結シングルアンプの制作 その1

真空管も決まったことですし、題名を変えてみました。 今回から新シリーズ。えw そんなわけで、うっかりヤフオクで落としてしまったEL34Bの方が先に手元に届きました。 ebayで買った方は、まだ海外の税関を通過していないみたい。 手元に届いたEL34B 僕個人…

真空管アンプ作りを始めよう その3 真空管を決める

このブログは、僕個人の備忘録的なところがあるため、なかなか結論が出てきません。 あーだこーだと悩んだ過程もそこに含まれる間違いも(自分の中では)大切じゃん?と考えているので、将来的に黒歴史になってしまうリスクを承知の上でごちゃごちゃと余計な…

真空管アンプ作りを始めよう その2 アプローチ・構想

自作へのアプローチ ネットの海を漂い(古い表現だなおい)、色々な真空管アンプについて調べてみましたが、さて、どーしようか。 ひとくちに真空管アンプの自作、と言っても、それにはいくつかのアプローチがありそうです。 その1:メーカーが販売している…

真空管アンプ作りを始めよう その1 出会い

それは、ニキシー管から始まった 年号が平成から令和に変わる頃、ニキシー管を使ったGPS時計を設計、制作をはじめました。 いろいろと試行錯誤の末、どうにか形になったのが11月の末のことです。 これは、バラックで組み始めた頃の写真です。初めて回路図か…