管球自在 かんきゅうじざい

管球自在[かんきゅう-じざい] 1.初心者が書く真空管アンプ製作記 2.自由な設計による真空管アンプ

300Bシングルアンプの制作(その4 配置を考える)

 

デザインセンスって、どうやったら手に入るんだろうね?

いくら考えてもよくならない。センス求む今日この頃。 

 

 

さて今回はアンプ全体の配置を考えます。

まず、アンプシャーシの大きさを決めるところから。

 

基本的にシャーシは大きければ大きい方が良いと思っています。

小さなシャーシは見た目はかっちりまとまるかもしれませんが、内部容積に余裕がなく、僕の様に全段直流点火する様な組み方をすると、ケミコンで内部が埋め尽くされ、配線に余裕がなくなってしまうのです。

 

とは言え無制限に大きくするのも無理な話です。

まずは大きさの上限として、僕が使っているCDプレーヤーの大きさを上限とすることにしました。

 

コイツの横幅は430㎜ですので、今回のアンプも横幅430㎜で収まるものを探します。

古代史を紐解けば、太古の昔、我が国には鈴蘭堂なるシャーシ屋さんがあって、レディメイドナウでヤングなシャーシが販売されていたと聞きますが、今では僅かにヤフオクでその影を見る事が出来るくらいで、とても手に入る雰囲気はありません。

 

似たようなところでタカチのシャーシなんかのカタログを覗いてみたのですが、これもいまいちピンときません。

そんな訳で国内をあきらめ、海を隔てた新興国に目を向けたところ、かの人民な共和国で勃興した悪名高きAliExpressで良さそうなシャーシを発見しました。

 

幅430㎜、高さ80㎜、奥行き308㎜のアルミシャーシで、フロントパネルの厚みは8㎜。

トップパネルとリアパネルは3㎜厚、サイドパネル4㎜と、大変に頑丈そうな作り。

まぁ、その分加工は大変でしょうが、フロントパネルに手を加えない前提ならどうにかなるだろうと思います。

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(画像はAliExpressのサイトより拝借)

 

商品紹介に色々と突っ込みどころもありますが、細かい事を気にしていたらかのお国から物を買う事は出来ません。

 

ACインレットの各穴も加工済みですし、なんとなればヒューズ付きのACインレットまで付属してくる。これで本体価格が50$前後というのだから大したものです。(とは言え送料がそれなりにお高く、なるほどこういう事かと妙に納得したのですが)

それでも送料込み1万円を切る価格でこれが手に入るなら安いものです。

 

シャーシについてこんな風にいとも簡単に決まったように書きましたが、実際にはあーでもないこーでもないと考えては検索し、一時はオリジナルのシャーシを設計して金属加工業者に頼むことまで検討しました。なんだかんだで2か月くらいシャーシを決めるのに足踏みをした気がします。

 

とりあえず、これでシャーシの大きさが決まりましたので、配置を検討します。400㎜×300㎜の紙を用意して、その上に部品を置いてあーでもないこーでもないと検討する事しばし。

大きく分けて2つの案にまとまりました。

 

まず、共通事項として、トランス類はシャーシ後部に一列に並べます。

これは、使うシャーシのサイズからそれなりに横幅が取れる事と、OPTとチョークがほとんど同じ大きさのものを使う事もあり、後ろ側に並べた方がすっきり見えるだろうという予測からです。

前回のアンプもトランス類は後部に一列に並べましたので、恐らく僕ん好みがそういうものなのでしょう。

 

最初はシンメトリーにこんな感じの配置を考えました。

この当時はまだmT管を4本使い、整流管も使うつもりだったんですね。

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あまりピンとこなかったのでこの配置は没にしました。

 

その後しばらく時間が空いて、部品が揃い始めて回路もおおよその方向が見えてきた頃に再検討した結果がこれ。

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この時点ではすべての真空管にサブシャーシを付けています。

最終的には、この配置の左右を反転し、mT管とGT管のサブシャーシを取り払った形のレイアウトにしました。

 

300Bの前側がスカスカで寂しいので、写真左前側にある35㎜/100mAの電流計と並べて35㎜のVUメータをパネル上面に配置しようかなと考えています。

実用的な意味は殆どありませんので、飾りみたいなものですね。

 

こうして、シャーシの到着を待つこと1ヶ月半(長い!)

到着したシャーシへの穴あけ加工を開始する日がやってきます。

 

つづくのだ