管球自在 かんきゅうじざい

管球自在[かんきゅう-じざい] 1.初心者が書く真空管アンプ製作記 2.自由な設計による真空管アンプ

真空管アンプ作りを始めよう その1 出会い

 

 

それは、ニキシー管から始まった

 

年号が平成から令和に変わる頃、ニキシー管を使ったGPS時計を設計、制作をはじめました。

いろいろと試行錯誤の末、どうにか形になったのが11月の末のことです。

 

これは、バラックで組み始めた頃の写真です。初めて回路図からPCB基盤を起こして、どうにか動き始めた頃の写真です。

旧ソ連製ニキシー管IN-18 GPS時計

旧ソ連ニキシー管IN-18 GPS時計

 ニキシー管時計を作ってゆく中で、真空管に興味を持ちはじめました。

ニキシー管時計は、ニキシー管が放つ光のアナログ感やガラス管に封入された構造の美しさに惹かれて作り始めたので、同じ様にガラス管の中に美しい構造を持っている真空管に惹かれるのは自然な流れだったのかもしれません。

 

とはいえ、真空管はアナログ回路の世界であり、またその使い道も特に思い浮かばなかった(始めは真空管ラジオとかも考えたんですよ。5球スーパーとか。でも普段ラジオなんか聞かないんですよ)ので、デジタル回路しか触ったことのない私には無縁のものだ、とも思っていました。

 

そんなある日、秋葉原に部品を買いに行ったついでに駅前のヨドバシカメラのオーディオ売り場で、何の気なしに聴いた真空管アンプの音がとても心地よく感じて気に入りました。

 

そもそもオーディオに興味はなく、電気店のオーディオコーナーに行ったのも、そういえば最近部屋で音楽を聞いてないなぁと思い、なんか適当にCDが聴けてパソコンからの出力をスピーカーに出せる様なものでもあればいいね、という程度の認識で、おぉ、そう言やそもそもスピーカーを持ってないじゃない、という事でスピーカーがたくさん置いてある場所に行ったらそこは真空管アンプの試聴コーナーだった、という次第。

 

正直、ニキシー管真空管はオールドテクノロジーもいいところで、この時代に真空管を使ったアンプがあんなにいろんな種類、堂々と売られているなんて思ってもいませんでした。

 

なるほどこの世の中には真空管アンプという世界があり、それはただの懐古主義というわけでもなく、またその音がどうやら自分の好みらしいと言う事も分かり、縁がないと思っていた真空管はまだ現役で、こんな使い道があるのか、と驚きもしました。

 

さぁ、こうなるともうダメです。

もともと真空管かっこいいなぁ、綺麗だなぁ、なんて事を思っていたところに、メーカーが渾身の力を込めて作った高級オーディオとしての真空管アンプを見てしまったのですから。

 

いい、すごくいい。

どうしよう、好きかも。

ううん、っていうか好き。

というネタを脳内で数回再生したあと、

 

どーしても真空管アンプが欲しくなりました。

ま、そらそうだ。 

 

ないなら作ってしまえ

 

美しい真空管アンプの数々。

しかしてそのお値段は軽く10万円オーバー。ほげぇ。

 

試聴して「お、コレいいなぁ!」って感じたアンプに至っては軽く30万円オーバーのお値段がついてます。うわぁ吐きそう。

 

1本5,000円のニキシー管を6本買うだけでドキドキして眠れなくなってしまう私にとって、コレを買うのはちょっと無理な相談です。

 

欲しいものが手に入らないのであれば作ってしまえ、という発想は、ニキシー管時計の時と一緒です。ニキシー管時計も、欲しいけどお高くて手が出ない、その上好みの仕様のものがないなぁ、というところから自作を考え始めたのでした。

 

ネットで真空管アンプを情報収拾してみれば、たくさんの方が自作を楽しまれており、また回路図や真空管の特性データなどもそれなりに手に入ることがわかりました。

 

様々なサイトを閲覧し書籍も数冊手に入れ、少しずつ勉強を始めて1週間。

 

・・・よろしい。

これでもITエンジニアの端くれ。

オールドテクノロジーとまで言った(莫迦にしているわけではない)のだ、真空管アンプの1台くらい、自作して当然ではないか。

それにアレだ。

男子たるもの、目の前の壁(真空管アンプ自作)を前にして撤退などという決断があるだろうか?いやない。

 

真空管のこともアナログ回路のことも、まだなーんもわかんないけど、自分なりに勉強して作ってみようではないか。

 

こうして、

真空管アンプ作るどー、という決意とともに、2019年は暮れていった訳です。

 

 

 

 

追記:

自作を始めるにあたって、様々な方のwebサイトを参考にさせていただいております。

これからブログを書き進めてゆくにあたって、参考にさせていただいたサイトについては、できるだけその場でご紹介させていただく所存ですが、全てが網羅できるとは限りません。

抜け漏れがありましたらご容赦ください。

そして、自らの経験とノウハウをwebに公開してくださっている全てのアンプビルダーの皆様に、ここであらかじめ御礼を申し上げたく思います。

 

中でも、ぺるけ氏の「情熱の真空管」に記載されている「私のアンプ設計&製作マニュアル」は私のアンプ作成のまさに教科書的な役割を果たしております。

貴重な情報やノウハウを公開してくださっていること、心より御礼を申し上げます。

 

まだ初めてのアンプ作りはスタートもしていませんが、まずは1台完成させる事を目標に頑張ってみます。